1996年式ポロ VS 1996年式スターレット
 
 
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ポロの日本発売当時、スターレットが日本もコンパクトカー初とも言える衝突安全性能を重視したモデルとして発売されました。
それまでの日本のコンパクトカーの形そのまま、衝突安全ボディGOAを装備したスターレットがどの程度の安全性を意識していたのか、見ていきましょう。

ポロ前面スターレット前面
左 ポロの前面です                     右 スターレットの前面です

前面から見ると、直線基調で力強さを感じるポロと、なだらかな曲線と単調な面使いのスターレットという印象の違いがあります。
バンパー回りを強調したポロと、バンパーをデザインに取り込んだ現代のクルマにも通じるデザインを採用したスターレットともいえます。
窓はボディー剛性を意識しすぎた為か面積が小さめのポロに対し、スターレットはドアガラスの前縁を切り込んで見えやすさを意識している点は評価できます。
窓ではスターレットの方が動きがあるデザインなのですが、全体としては複雑な動きのある面使いをしたポロがスポーティーに感じるのに対し、面が単調なスターレットはかなり大人しく見えます。

ポロ後面スターレット後面
左 ポロの後面です                     右 スターレットの後面です

リアから見ても、フロント同様の印象です。
腰高なポロが安全性を強調しているのに対し、スターレットは、従来の日本車のデザインそのまま無難なデザインでまとめています。
当時の日本のコンパクトハッチバックのリア廻りは似たようなデザインが多かったようで、当時のロゴやマーチにもよく似ていました。

ポロ内装スターレット内装
左 ポロの内部です                     右 スターレットの内部です

内部になると、当時の各社のデザインそのままです。
ポロはゴルフに、スターレットはカローラなど良く似たデザインで、内装では各メーカーのデザインの方向性が決まっていたようです。
ただ、スターレットのシートは一般グレードではヘッドレストがシート一体型となり調整が出来ないので、体格によっては衝突時の安全性では不利になります。
このあたり、安全性を謳いつつも、全ての面で意識すると言う状態までには至っていないことが伺えるところです。


以下 仕様を比較しています。
ポロは4ドアグレード、スターレットはルフレX5ドアATグレードを掲載しています。
項目フォルクスワーゲン ポロ
4ドアA/T
トヨタ スターレット
ルフレX5ドアAT
価格¥1,790,000¥1,160,000
寸法・重量
全長3,715mm3,740mm
全幅1,660mm1,625mm
全高1,435mm1,400mm
ホイール
ベース
2,410mm2,300mm
トレッド
前/後
1,355/1,385mm1,400/1,405mm
最低地上高140mm145mm
車両重量1,050kg920kg

まず、価格が5割ほど違います。
助手席エアバッグや盗難防止システムあたりがポロにあってスターレットにない主要な装備ですが、それを考慮してもかなりの価格差です。
スターレットにもABSや衝突安全ボディーGOAが付いているのは日本のコンパクトカーとして画期的なことで、その上この価格ですから大したものです。

寸法では、ポロが短く広いのですが高いので見た目の安定感はスターレットが有利でしょうか。
しかし、その差は少ないので大きな違いというほどではありません。
ホイールベースはポロが長く、トレッドはスターレットが広いですね。
ここは全体の寸法とは正反対なところが面白いものです。
スターレットはホイールベースも短さからリアシートの狭さが伺われます。

外形の寸法がほとんど同じですが、車重は130kgの差でポロが重くなっています。
スターレットが安全性を意識していたといっても、ようやく意識し始めたスターレットと長い経験があるポロではかなりの差があるようですね。
しかし、当時のロゴなど安全性を意識していないクルマより数十kg重い事から、当時の日本車とポロの中間的なクルマだったようです。

項目フォルクスワーゲン ポロ
4ドアA/T
トヨタ スターレット
ルフレX5ドアAT
性能
最小回転R4.9m4.4m
燃料消費率11.4km/l16.6km/l
エンジン
種類直列4気筒SOHC水冷直列4気筒DOHC4バルブ
内径×工程76.5×86.9mm--×--mm
総排気量1,597cc1,331cc
圧縮比9.89.6
最大出力55KW/4,800rpm
(75PS)
63KW/5,500rpm
(85PS)
最大トルク135Nm/2,800rpm
(13.8kgm)
118Nm/4,400rpm
(12.0kgm)
燃料タンク容量45L45L
使用燃料レギュラーガソリンレギュラーガソリン
諸装置
クラッチトルクコンバータートルクコンバーター
トランスミッション4速フルオートマチック(ロックアップ付)OD付4速オートマチック
Fサスペンションマクファーソンストラット
(スタビライザーバー付)
マクファーソンストラット式
コイルスプリング
Rサスペンショントーションビーム付トレーリングアームトレーリングツイストビーム
(スタビライザー付)
ブレーキ(前輪)VディスクVディスク
ブレーキ(後輪)ドラムドラム
使用
タイヤ
185/55 R14155SR13

回転半径ではスターレットが優秀で、タイヤサイズを考えても小回りが利きそうです。
燃費はポロの11.4km/lに対してスターレットは16.6km/lと、スターレットが有利ですが、ポロで遠出をした時の実燃費は11.4km/lを越えた事もありますから、実際の燃費ではそれほど大きい差は無いかもしれません。

エンジンは、スターレットが排気量他全体的に小ぶりですが、DOHCなので若干高回転型の性格です。
排気量の分、ポロの方がトルクは有利ですが車重を考えると同等、パワーにいたってはスターレットがかなり有利です。
燃料はどちらもレギュラーです。

ミッションはどちらもトルクコンバーターですが、スターレットはOD付の4速なので、普段は3速となります。
ポロの普通の4速の方が加速などでは有利ですが、スターレットはODモードで燃費は稼げそうです。


足廻りは仕様では比較出来ないですが、タイヤから想像すると かなりの違いがあるようです。
何しろ、ポロの185/55 R14に対して、スターレットは155SR13と軽自動車並み。
ブレーキはポロとスターレットは同等ですが、スターレットはこれだけタイヤが細いと足廻りには不安がありそうです。
重くなったスターレットは、せっかくのABSもタイヤが細すぎて安全性の向上には効果が少ないかもしれません。
(ただ、ABSが働くシーンは多くなりそうですが。)


総合的に見ると、スターレットの安全性は、ポロには及ばない部分がかなり多いことが分かります。
助手席エアバッグやシートのヘッドレストからタイヤや足廻りまで、ボディーだけでない安全性に関してはあまり考慮していないことが明らかだからです。

それでもスターレットが画期的だったのは、クルマの価格をほとんど変えずにGOAを導入し、その後の日本車の安全性向上のきっかけとなった点でしょう。
そしてポロの安全性を手本とすることで、最近のコンパクトカーの安全性の向上が計られたことも分かります。
その安全性向上のおかげで、最近の交通事故の死亡者数は、交通事故の数自体は増えているにもかかわらず、減少しているのです。



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